こちらで展示されている三両の車両は旧尾小屋駅構内で展示されていました。車両は2001年11月にこの場所へ移転し、2002年4月に建屋が完成しオープンしたものです。静態保存という概念でここへ移動してきましたが、弊会の申し出により日を決めて動態運転日には体験乗車が出来ます。整備運転は弊会がボランティアとして担当しています。
5号蒸気機関車(C155)
立山重工業で1947年に製造されました。尾小屋鉄道での認可は1951年となっており、注文流れだったとの推測ができます。正式にはC155と記録されており、ロッド類へも同じ刻印が打刻されています。翌年DC121を導入してからは稼働が減り、イベントやテレビのロケなどでしか動くことは無かったようです。
聞いた話では冬期にDC121が除雪に向かったが吉竹あたりで脱線し、救援に来たDC122がエンジントラブルで立ち往生したそうです。最後の砦だったC155が近くまで来たが踏切の踏み板を引っかけてロッドが折れてしまったそう。吉竹あたりで三両の機関車が揃って立ち往生という笑えない珍事が起きてしまったと言うことです。
キハ3
遠州鉄道が奥山線向けに汽車会社で1954年に製造した気動車です。奥山線が廃線となり、1964年12月に尾小屋鉄道へやってきました。すべてのガラスが割られて悲惨な状態で尾小屋入りし尾小屋仕様への変更もあったため、認可が下りたのは1966年ということです。三両の気動車は同じエンジン(日産UD-3、3気筒,3706cc,110HP)を搭載していながら、このキハ3だけ動力台車の車輪二つがチェーンで結ばれているため駆動力が高かったのです。勾配の多い区間だったので重宝されました。
動態運転を始めた頃にはいろいろなトラブルがありました。インジェクションポンプが固着したり、ラジエーターの交換などもありました。弊会で手に負えないところは会員の伝手を借りて本職の方にも手伝って頂きました。古いエンジンなのでパーツが生産終了になっていることも多々あります。いつの日にか動態運転も終わりを迎えることが来るでしょうが、その日が少しでも長く押さえられるよう努力しています。
ハフ1
尾小屋鉄道が開通にあたって用意した二軸客車で、名古屋電車製作所で1918年に三両が製造されました。1972年にC155とハフ二両が長島温泉へ貸し出され、返却された時には尾小屋の線路ではなくドライブイン北国で展示されることになりました。その時にはハフ2も展示されていましたが、こちらは個人が引き取って朽ち果てさせてしまったようです。
2018年8月がハフ1生誕百年となりました。ささやかながら弊会として記念硬券を発行し、公開日でキハ3体験乗車された方へ無料で配布しています。限定五百枚なので、無くなり次第終了とさせて頂きます。
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